一般社団法人日本臨床検査学教育協議会

コラム/エッセイ

5つの手紙…臨床検査の専門性を武器に、
自分らしい未来を実現する(5)

医療の現場において、医師や看護師が患者さんと直接向き合う一方で、その治療の方向性を客観的なデータで支えているのが臨床検査の専門家です。臨床検査を学ぶことは、単に資格を得るためのプロセスではありません。それは、科学的な根拠に基づいて生命の情報を読み解く「専門的な視点」を身につけることでもあるのです。《全5回》

(第5回)社会人1年目のみなさんへ:資格の先にある“自分らしいキャリア”のために

超音波検査のトレーニングを受けている新人技師

臨床検査技師として働き始めてから、どのような毎日を過ごしているでしょうか。

学生時代は国家試験合格という明確な目標がありました。しかし、社会人になると日々の業務に追われ、自分がどこに向かっているのかを考える余裕がなくなることもあります。覚えることの多さや責任の重さに戸惑い、自信を失いそうになることもあるかもしれません。
それでも、ぜひ忘れないで欲しいことがあります。資格取得は大きな節目ですが、キャリアと言う視点で考えれば、まだスタートラインに立ったばかりだということです。
みなさんのこれからの人生は、資格取得までの年月よりも遥かに長く続きます。その中で、専門分野を深く追求する人もいれば、新たな上位資格に挑戦する人、教育や研究に携わる人、企業や行政など新たなフィールドへ活躍の場を広げる人もいるでしょう。何の道を選ぶとしても、臨床検査を学んだ経験と専門性は、みなさんのキャリアの確かな土台となります

キャリアとは、あらかじめ決められた一本の道を進むことではありません。経験を積みながら、自分で考え、自分で選び、自分らしい歩き方を見つけていくことです。そして、一人ひとりが専門性を磨き、自分らしいキャリアを築いて行くことは、個人の成長だけでなく、臨床検査という職業の価値を高めることにも繋がります。
目の前の業務に向き合いながらも、ときどき立ち止まって考えてみてください。
自分はどんな臨床検査技師になりたいのだろう
その問いを持ち続けることが、これからの永いキャリアを支える道標になるはずです。

自分のキャリアを想像する若手臨床検査技師
図の作成:ChatGPT(筆者が入力した文章をもとに生成)

筆者:猪俣 啓子(いのまた けいこ)

純真学園大学保健医療学部検査科学科/キャリアコンサルタント