一般社団法人日本臨床検査学教育協議会

コラム/エッセイ

検査室から患者さんの家へ!(1)
在宅医療を支える臨床検査技師の新しい働き方

「おうちが病院」になる時代!?これからの日本を支える在宅医療のキホンと、検査室を飛び出して地域で活躍する臨床検査技師の新しい働き方を、全3回にわたって分かりやすく紹介します。

(第1回)「在宅医療」って何?これからの日本に欠かせない新しい医療のカタチ

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血圧を測りながら、医師(右)とともに患者さん(左)の言葉に耳を傾ける臨床検査技師(中)。在宅医療ではcure(治す)よりもcare(支える)マインドが求められます。

在宅医療ってどういうもの?

「知らなーい」、「聞いたことあるけど、よくわかんなーい」と皆さんの声が聞こえてきそうです。医療職を目指そうとする大学3年生に調査しても、「在宅医療」という言葉を聞いたことはあっても、その実態はよくわからないのです。

(図1) 本校臨床検査コース3年生(2018~2022年)アンケート

さて、今の日本、これからを考えてみましょう。

人口ピラミッドの構成がどんどん変化していることを知っていますか?働く世代(生産年齢人口)が急減し、労働力不足が深刻化する一方、65歳以上の高齢者たちは増え続けます。高齢化率は高くなり、若い人たちの負担は重くピンチな状態です。

(図2) 日本の人口ピラミッドの変化
出典:総務省「国税調査」及び「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計):出生中位・死亡中位推計」(各年10月1日現在人口)

そこで、国は膨らみ続ける医療費を抑えるため、病院のベッド数を整理し、病院に頼りすぎず地域全体で支えられるような「かかりつけ医」「訪問看護・介護」を推進しています。これを「地域包括ケアシステム」と呼び、全国で仕組み作りが進んでいます。

在宅医療はここに大きく関わるもので、自宅や施設にて、診療や治療が必要な患者さん一人一人に、計画的かつ定期的に訪問する体制です。医師や看護師ほか、様々な職種が連携するチーム医療が組まれます。

(図3) 地域包括ケアシステムのイメージ 出典:「地域包括ケアシステム」(厚生労働省)
(図3) 地域包括ケアシステムのイメージ
出典:「地域包括ケアシステム」(厚生労働省)

対象は高齢者のみならず、小さな子供や若い人たちも含みます。末期がんなどの緩和ケア以外に、持病や生まれつきの病気、認知症などで通院が困難な方、人工呼吸器などの医療機器を必要とする方、リハビリが必要な方など幅広く、24時間の往診体制もあります。

住み慣れた地域で自分らしく人生の最期まで過ごせるよう、医療、予防、介護、住まい、生活支援が一体となって支える。その基本は、ご本人の気持ちやご家族の希望を尊重することにあります。

(図4) 地域包括ケアシステムの捉え方
出典:「地域包括ケアシステムの捉え方」(厚生労働省)

筆者:井越 尚子(いこし なおこ)

日本栄養大学 微生物学・臨床検査学研究室