一般社団法人日本臨床検査学教育協議会

コラム/エッセイ

検査室から患者さんの家へ!(2)
在宅医療を支える臨床検査技師の新しい働き方

「おうちが病院」になる時代!?これからの日本を支える在宅医療のキホンと、検査室を飛び出して地域で活躍する臨床検査技師の新しい働き方を、全3回にわたって分かりやすく紹介します。

(第2回)検査室を飛び出す!在宅医療を支える臨床検査技師の力

さて、臨床検査技師は、、、

検査の原理や技術を身に付け、症状とあわせて「検査値」が読めるプロです。私たちが出した検査結果は、医療の場に迅速かつ正確に報告し、診断や治療を助けます。就職先は、病院やクリニック、健診や検診業務、検査センターなどが多いでしょう。他にも保健所、企業や研究所など、専門性を活かせる場所が多くあります。

これまでは、臨床検査技師が働く主な場所はこうした施設の「検査室の中」でした。しかし最近では、在宅医療メンバーの一員として医師や看護師とともに患者さんの自宅に赴き、検査を行う臨床検査技師が増えてきています。

病院勤務の技師にはない業務として、医師のサポート(診療アシスタント)という重要な役割も担います。

胃ろう(おなかに作った、栄養を送るための穴)や尿管のチューブ交換、酸素ガスの調整のほか、家族との会話から貴重な情報を入手することもあります。検査では、得意のエコー(超音波)検査はもちろん、血圧や体温などのバイタルチェック(健康状態の確認)など、病院だったら看護師が行うような業務も行います。

エコー(超音波)検査の様子。どこでも、どんな姿勢でも検査をサクサク進めます。
エコー(超音波)検査の様子。どこでも、どんな姿勢でも検査をサクサク進めます。
診療アシスタント業務中。薬の袋の数をケアマネージャーと共に確認している様子。診察中は、患者ご本人やご家族と共に居て、会話の記録や必要事項などをチェックします。

他にも、採血や呼吸機能検査、心電図検査、輸血の実施準備、さらには急な要請にも応じ、簡易的な機器や試薬をつかって炎症の程度や心不全の程度を調べたり、コロナやインフルエンザなどの即時検査も行います。在宅医療に臨床検査技師が加わることで、これまで病院でしか受けられなかった検査を自宅でも受けられるようになり、患者さんの負担が減ったり、診療の質が上がったりすることが期待されているのです。

筆者:井越 尚子(いこし なおこ)

日本栄養大学 微生物学・臨床検査学研究室