一般社団法人日本臨床検査学教育協議会

コラム/エッセイ

検査を支える“もう一つの現場”(1)
― 臨床検査センターの世界

病院の外にも、医療を支える大切な現場があることを知っていますか?本シリーズでは、国内最大級の臨床検査センターを訪れ、その仕組みや働く人々の姿を通して、臨床検査技師の仕事の魅力と社会的役割を紹介します。

(第1回)検査を支える“もう一つの現場”

施設の外観(写真提供:株式会社エスアールエル)

国内最大手の臨床検査受託機関

臨床検査には多くの種類があり、すべてを医療機関の中で行うことはできません。また、小さな診療所などでは、検査室がない場合もあります。そのため、病院では対応が難しい特殊な検査や、専門的な機器・技術を必要とする検査、さらに検査室をもたない医療機関からの依頼を受けて、検査を代わりに行う専門の施設があります。これが、臨床検査受託機関(臨床検査センター)です。

株式会社エスアールエルは、東証プライム上場企業であるH.U.グループホールディングス株式会社のグループ会社のひとつで、国内最大手の臨床検査受託機関です。その拠点が、東京都あきる野市にあるセントラルラボラトリー、通称「AkirunoCube」です。

今回の見学では、血算や生化学検査などを行う一般検査室と、染色体検査・遺伝子検査のエリアを見学させていただきました。

一般検査室(写真提供:株式会社エスアールエル)

一般検査室

一般検査室は、学校のグラウンドのように広いワンフロアで、何十台もの検査装置が搬送ラインで連結されていました。まるで工場見学のように、一つ上の階から窓越しに見下ろす景色は、鉄道模型のジオラマのようでした。

そして驚くのは、人の数の少なさです。

検体の受付、性状確認、分注、搬送、検査、保管、滅菌、廃棄といった一連のプロセスが高度に自動化されており、人の手をほとんど介さない設計になっていました。

私たちが見学した午前中は、主に試薬の補充や装置のメンテナンスの時間帯で、検査のピークは全国から検体が到着する22時から深夜2時頃だそうです。

15名ほどのオペレーターで検査しているそうです。1日あたりの受託数をお伝えすることはできませんが、驚きの検体数でした。

全国の医療機関から届く膨大な検査が、迅速に実施・報告される仕組みは、このような高度に自動化されたシステムによって支えられているのですね。

関連リンク H.U. Bioness Complexについて|H.U.グループホールディングスhttps://www.hugp.com/hu_bioness_complex/

筆者:關谷 暁子(せきや あきこ)

北陸大学医療保健学部