一般社団法人日本臨床検査学教育協議会

コラム/エッセイ

5つの手紙…臨床検査の専門性を武器に、
自分らしい未来を実現する(1)

医療の現場において、医師や看護師が患者さんと直接向き合う一方で、その治療の方向性を客観的なデータで支えているのが臨床検査の専門家です。臨床検査を学ぶことは、単に資格を得るためのプロセスではありません。それは、科学的な根拠に基づいて生命の情報を読み解く「専門的な視点」を身につけることでもあるのです。《全5回》

(第1回)高校生のあなたへ:理科の知識が「医療を支える確かな力」に変わる

オープンキャンパスで血液型検査を体験

あなたが、理科の授業で学んだ細胞の構造や血液の体内循環、免疫の仕組み。それらは、単なる大学受験のために必要な知識に思えるかもしれません。しかし、臨床検査の世界では、その知識のひとつひとつが、目の前の患者さんの状態を知るための大事な手がかりになります。

例えば、検査室に届く1本の血液検体。
その中には、患者さんの体の中で起きている変化が詰まっています。臨床検査技師は、最新の分析機器を使い、時には顕微鏡で細胞を直接観察しながら、目には見えない異変を見つけ出します。臨床検査によって見つけたわずかな数値の異常や、細胞の形の変化。それらは病気の早期発見のきっかけとなり、適切な治療へとつなげる大切な第一歩になります。臨床検査を学ぶことで、あなたが、今、学んでいる化学や生物の知識を、将来、誰かの健康を守るための「確かな力」へと変えていくことができるのです。

「客観的な事実から答えを導き出すのが好き」
「細かい変化に気づくのが得意」
「将来、人の役に立つ仕事がしたい」
そんなあなたの性格や好奇心は、医療を支えるプロフェッショナルとしての大きな強みになります。臨床検査は、あなたの「好き」や「得意」を、「誰かの役に立つ力」へとつなげてくれる分野なのです。

筆者:猪俣 啓子(いのまた けいこ)

純真学園大学保健医療学部検査科学科/キャリアコンサルタント