一般社団法人日本臨床検査学教育協議会

コラム/エッセイ

5つの手紙…臨床検査の専門性を武器に、
自分らしい未来を実現する(2)

医療の現場において、医師や看護師が患者さんと直接向き合う一方で、その治療の方向性を客観的なデータで支えているのが臨床検査の専門家です。臨床検査を学ぶことは、単に資格を得るためのプロセスではありません。それは、科学的な根拠に基づいて生命の情報を読み解く「専門的な視点」を身につけることでもあるのです。《全5回》

(第2回)保護者・高校教員のみなさまへ:国家資格を基盤とした「多様なキャリア形成」

オープンキャンパスで臨床検査の説明を聞く高校生と保護者のみなさん

臨床検査技師は国家資格に基づく専門職であり、医療機関において欠かせない存在です。その職業的な安定性は大きな魅力ですが、それに加えて注目すべきなのが専門知識を基盤としたキャリアの広がりです。

かつての臨床検査技師のイメージは、病院の検査室の中で黙々と作業をし、患者さんと関わることが少ない「医療の裏方」という印象が強かったかもしれません。しかし、現在の医療現場では、臨床検査技師の活躍の場は検査室の中だけにとどまりません。その専門性を活かして医師に検査結果の解釈を伝えたり、病態に応じた検査の追加提案をしたりするなど、診療を支えるパートナーとしての役割が広がっています。また、不妊治療の現場において命の誕生に携わる「胚培養士」も、臨床検査の知識と技術が活かせる職業です。

さらに、臨床検査技師の活躍の場は病院の外にも多くあります。
例えば、新薬の開発プロセスである臨床試験を支える「治験コーディネーター(CRC)」、診断薬や分析装置を開発する企業の学術・開発担当、あるいは公衆衛生に関わる行政職など、臨床検査の学びは「ひとつの分野を深く極める道」と「医療の知識を土台に社会へ広く貢献する道」の双方を可能にします
専門資格という強みを持ちながら、時代の変化に合わせて柔軟に多様な進路を描けること。それは、これからの社会において、非常に価値の高いキャリア形成のあり方だと言えます。

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筆者:猪俣 啓子(いのまた けいこ)

純真学園大学保健医療学部検査科学科/キャリアコンサルタント