一般社団法人日本臨床検査学教育協議会

コラム/エッセイ

5つの手紙…臨床検査の専門性を武器に、
自分らしい未来を実現する(3)

医療の現場において、医師や看護師が患者さんと直接向き合う一方で、その治療の方向性を客観的なデータで支えているのが臨床検査の専門家です。臨床検査を学ぶことは、単に資格を得るためのプロセスではありません。それは、科学的な根拠に基づいて生命の情報を読み解く「専門的な視点」を身につけることでもあるのです。《全5回》

(第3回)進路に迷いがある養成校の学生のみなさんへ:今の学びが未来を支える力になる

予防着に着替えてこれから解剖学実習

臨床検査学を学び始めて、専門知識を理解し修得することに難しさを感じる人もいると思います。また、高校時代の進路選択では、自分の意思や希望だけでなく、先生の勧めやご両親の意向も大きく影響するものです。そのため、実際に入学してみると「自分が学びたいと思っていたこととは違うかもしれない」と戸惑う人がいるのも事実です。そんな気持ちを抱えていると、学ぶ意味を見失ってしまい、将来の自分の姿もイメージできずに戸惑ったり焦ったりしてしまうのはある意味で当然のことと言えます。ただ、その違和感に気づいたこと自体を大切にしてください。今は、自分は何に興味を持って、将来どうなりたいのかをじっくり検討するチャンスなのです。

あなたのキャリアは、この先もずっと続いていきます。今はその途中で、ちょっと立ち止まって考えているところです。この先の歩き方を自分で決めようともがいている最中、なかなか答えが見つからないのであれば、今学んでいることの中に、少しでも「興味が持てる」ことや「出来る」ことがないか探してみてはどうでしょうか。小さな興味や達成感が積み重なっていくことで、これまでと違った見方ができるようになるかもしれません。
臨床検査学で扱う知識や技術を修得することは、医療の現場で患者さんの状態を正しく把握し、治療へとつなげるための大事な土台を作ることです。そしてその知識や技術は、病院以外の場所でも必ず活かせる武器になります。

迷いながらでも構いません。その迷う過程そのものに大きな意味があります。大切なのは「自分で納得して選んでいる」と思える状態に少しずつ近づいていくことです。未来は、これからの選択次第でいくらでも形を変えていくのですから。

筆者:猪俣 啓子(いのまた けいこ)

純真学園大学保健医療学部検査科学科/キャリアコンサルタント