コラム/エッセイ
検査を支える“もう一つの現場”(3)
― 臨床検査センターの世界
病院の外にも、医療を支える大切な現場があることを知っていますか?本シリーズでは、国内最大級の臨床検査センターを訪れ、その仕組みや働く人々の姿を通して、臨床検査技師の仕事の魅力と社会的役割を紹介します。
(第3回)「遺伝子検査―精密さ・安全性・ミスを防ぐ仕組み」

遺伝子検査エリア
遺伝子検査エリアでは、造血器疾患や固形がんの診断に加え、治療薬の効果を予測するための検査(コンパニオン診断)が行われていました。
検体からのDNA・RNAの抽出、試薬の分注、PCR反応および増幅産物の解析、次世代シークエンスなど、検査工程に応じて部屋が細かく分かれており、いわゆる前PCRエリアと後PCRエリアのゾーニングが明確に区分されていました。また、交差汚染を防ぐため、空気の流れが一方向となるよう差圧管理が行われていました。例えば、測定室は隣接する試薬調製室よりも気圧が低く設定されており、測定室から試薬調製室へ空気が流入しないよう管理されています。これは、DNAやRNAの検査では、わずかなコンタミネーション(汚染)が偽陽性などの重大な誤差につながるためです。
検査工程においては人と機械の役割分担がなされており、自社開発の装置が核酸抽出工程を担っていました。検査工程は独自の工程管理システムで管理され、どの検体が、いつ、どの工程にあったのかがすぐにわかるようになっています(トレーサビリティ)。このように、自動化可能な工程は徹底的に自動化することで、ヒューマンエラーの防止が図られていました。
検査を担当するスタッフは、検査結果が診断や治療方針の決定に直接関わることを強く認識し、細心の注意を払いながら業務に取り組んでいるとのことでした。
